卒業式が近い。
あの子…。
ううん。あの人も、本当にいなくなる。
今まで無条件で側にいれた特権もなくなってしまう…。
「みんな卒業おめでとう!」
「ありがとうございます!」
今日は野球部で送別会。
卒業式にはまだ早いけど特別に。
みんな思い思いの進路を取り立派に巣立っていく。
3年前と大違いだな…。
あれほど小さいと思っていた背中が、今は大きい。
「花井ー!初代主将から一言何か後輩と監督とシガポに言えよ!」
「うるせー!そんなこと言われなくても言うからなっ!」
花井梓。
4月28日生まれのA型。
身長187で79キロ。
3年間主将として頑張ってくれた人。
始めはしごきがいのある、いい素材だった。
彼の人となりに触れているうちに、いつしか私の彼に対する意識は“男の子”から“男の人”に変わっていた。
“すき”が“好き”になっていた。
駄目だとわかっていたのに…。
「監督?」
「えっ?あぁ。ごめんなさい。花井くんどうぞ。」
「えっと…。志賀先生、百枝監督3年間ありがとうございました。俺たち選手10人とマネジ1人の夢を叶えることができたのはお二人のおかげです。入学した時俺たちはひよっ子で何も出来ませんでした。そんな俺たちをここまで育ててくださり本当にありがとうございました。それから…」
ああ…本当に素敵な男性になったな。
これで最後だ。
最後の彼の姿。
百枝まりあ。
本当にこれで最後にするの…?
「じゃあ、これでお開きにしようか。」
「うーっす!」
「あっ、花井くん。ちょっといい?」
「はい。」
みんなから少し離れた所まで移動し、花井くんをまっすぐ見据える。
「監督。何すか?」
「1個だけして欲しい事があるの。」
「はあ。」
「頭なでてくれない?」
「えっ?」
「いい子いい子して欲しいの。今まで頑張ってきたっていうご褒美とこれからも頑張れっていう意味も込めて…。」
花井くんはかなり困惑している。
けど優しい彼は必ず叶えてくれる。
ふとポンポンと頭に大きな暖かい手がのっかる。
「監督。何か、遥と飛鳥みてぇ…。」
「あははっ。私だって一人の人間だもの。」
そう、一人の人間。
一人の女。
これからは監督と主将じゃない。
対等な人間として付き合える。
「ありがとう。花井くん。」
「いえ。」
「じゃあ3年間主将を頑張った花井くんに私からお礼ね。」
「え?」
3年でまた一段と背が伸びた君の頬に唇を落とす。
赤くなった君の耳元で…
「花井くんが好き。好きなの。もちろん男の人として。」
「えっ!?」
「ずっと駄目だと自分に言い聞かせてきた。監督と主将だったもの。けどこれからは違うから。私、諦めないからね。じゃあ…」
とりあえず言いたいことだけ言って立ち去ろうとした。
そのとき、花井くんに腕を捕まれて、そのまま後ろから抱き締められた。

耳元で囁く君の声は甘く震えていて…。
私の背中の温もりが確に伝えてくれたのは、恋が愛に変わったということ。
これが始まりの始まりだということ…。
終
おお振り小説携帯サイト「明日の天気」の芽美様から
相互記念として小説をまたまた頂いちゃいました\(^▽^)/
前回が「花百」を頂いたので今回は是非「百花」で!
とお願いしたところ・・・・
「百→花」から「百花」へのこんなに素敵な卒業のお話を頂きました♪
実は卒業の話は自分もよく考えます。
「花百」ならなんとなく想像がつくのですが
「百花」だとちょっと想像がつかなくって・・・リクエストさせて頂きました。
ハッキリサッパリキッパリなカッコよくも切なく、可愛いモモカンの告白も・・・
告白を受け抱きしめながらも、甘い声が思わず震えてしまう花井君も・・・
とてつもなく萌えでございます
百花もイイですね!!
読むたびにキャーキャーと興奮し、そこら辺のモノを叩きまくりながら(笑)
何度も何度も、読ませていただきました。
あんなに恋愛に興味なさそうなモモカンが
こんなに深く甘く切なく花井君のコト想っていてたら・・・・花井君は幸せだろう・・・
でもこの結果はきっと花井君の3年間の努力の成果なんだろうね!
そう考えると
花井君は3年間モモカンの為に努力し続けて、本当にイイ男になったんだなぁ・・・
と思わずにはいられない!!
とってもとっても素敵な作品をどうもありがとうございました!
これからもよろしくお願いいたします。
芽美様のサイトはこちらです→明日の天気
→今回も萌えましたのでまたまたラストの挿絵を描かせていただきました
イメージ崩していたら・・・
す・・・すいません・・・・(・´д`・;)ゞ
※ちなみに掴んだ腕は左だと思ってください