「おかあさん!おかあさん!」
「はいはい。なぁに梓?」
花井家の一人息子の梓(4)
もう、可愛いったらありゃしない!
目に入れても痛くないくらい可愛い息子。
「おかあさん。あのね!」
「はいはい。」

「ぼくね大きくなったらおかあさんをおよめさんにしてあげる!」
「本当に?」
もう、こんな嬉しい事言ってくれるなんて…!
何て幸せなのかしらっ!
「うん!やくそく!」
「約束ね!」
「って頃があったのよぉ!覚えてない?」
「…………覚えてない。だから?」
あれから12年。
12年の間に梓の下に双子が産まれ、梓ももう高校生になった。
けれど只今絶賛反抗期中。
でも、これがまた可愛いのよね!
"うっせぇ!梓って言うな!"とか"はぁ!?"とか言ってるけど話しかけたら必ず返事は返してくれるし、妹達の面倒は見てくれるし、我ながら良い子に育ったわぁ…。
「で?何?」
「別に何も。せっかく梓と家に二人っきりだから梓とお喋りしたいなぁと思ってね。」
「俺はしたくない。」
「あら!そんな事言って!」
「あーもー!勉強してんだから邪魔すんなよ!」
梓は机から立ち上がり私をグイグイ部屋の外に押しやった。
「つまらないわ…。」
一人リビングに戻り夕食の準備を始める。
やっぱり男の子なんて"お母さん大好き"って言ってくれるのは小さい頃だけなのかしら?
大きくなった梓も可愛いし愛してる。
けれど、やっぱり小さい頃のように接して欲しいっていうのもあって、成長した息子に寂しさを感じるのも事実。
あの子はどんどん親離れしていってるのに、私は子離れできないでいる。
「熱っ。」
ボーッとしていたからレンジで解凍していた肉を乗せた皿を手だけで触ってしまった。
はぁ。らしくない…。
一人で勝手に感傷に浸って。何やってるのかしら。
「何ボーッとしてんだよ。」
「えっ…?」
その声に驚いて後ろを振り向くと、梓が呆れた顔で立っていた。
「まったく…鈍くせっ。あっ夕飯何?」
「あぁ、焼きそばにしようと思ってるけど。嫌?」
「………嫌じゃないけど。」
「どうしたの?勉強してたんじゃないの?勉強してていいわよ?」
「別に……。」
「あっ、お腹空いた?ごめん今何もないわ。ごはん出来るまで待っててくれる?」
「………………う。」
「えっ?何?聞こえない。」
「……手伝うって言ってんだよ!まったく…」
そう言うと、そっけなくレンジから肉を取りだし、肉を炒めだした。
頬が自然と緩む。
「ありがとう梓。」

「だから名前で呼ぶなって!」
「はいはい。お兄ちゃんありがとうねっ。それ炒めたら玉葱切ってね。」
「げっ…。」
なんだかんだ言って、こういう所があるから子離れできないのよね。
反抗期って言っても根っこの所は昔と変わらず優しいあの子がいるから、全力でこの子をサポートしてやろうって思える。
だから、子離れはもう少し先でも良いわよね?
お母さんは"お母さん"でいても良いわよね?
ウザイって言われても、名前で呼ぶなって言われても梓は梓だもの。
愛しい愛しい私の大切な息子だもの。
終
おお振り小説携帯サイト「明日の天気」の芽美様からいただきました。
前に頂いた「花井親子」があまりにもよかったので
1万記念キリリク企画に「花井家」ものでリクエストさせて頂きましたv
今回も想像以上の素晴らしい作品に
思わず読んでいてじ〜んときてしまいました。
菊江さんの息子への愛情がすごく大きくて温かくて
自分より大きくなってもウザがれても
息子が可愛くて仕方ない!ってカンジがヒシヒシと伝わってきました。
花井君もテレてるけど本当は心配つつ、素直になれないもどかしさがなんともいえず萌えましたね。
あと なんといっても冒頭の幼少の頃の花井親子v
花井君はちっちゃい頃は絶対ママ大好きっこだったハズ!!
もうこの時点ではあああ〜ん!ってカンジデヤラレマシタ。
今回も感動的な素晴らしい作品をどうもありがとうございました!
10000打おめでとうございました。
芽美様のサイトはこちらです→明日の天気
→今回も萌えました!
かなり萌えましたので・・・またまた挿絵を描かせていただきました
今回は手描きブロツールで描いてみました。
イメージ崩していたら・・・
ごめんなさいィ!!(・´д`・;)